CARNIVAL UNDER THE MOON.

好きなものを好きというために。

(感想)『TYPE-MOONの軌跡』

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 さて、発売から一月くらいたったし個人的な感想をまとめておこうと思います。

 

 まあ最初に言ってしまうと、本の中身はほとんど知っていることでした(まあ九割五分くらい)。

 なので、世に言う古参的な人々は買う価値は無いのか?

 いや、そんなことは無い。自分はそう言いたい。

 自論で恐縮なんですけど、TYPE-MOONファン、奈須きのこファンって彼らの好きな物、影響を受けた物を接種したがる人種だと思っているんです。

 竹箒日記の影響で瀬戸口作品に触れロミオ作品に触れめてお作品に触れる。そんなエロゲーマーがいてもいいじゃない。他にも菊池伝奇山風伝奇あと叙述ミステリーとかに触れる。そういった人種が多いと勝手に思っているんですけど。

 そういう人たちって、重箱の隅を突くようにTYPE-MOONのことを知りたいと思うんですよ。もうどうでもいいようなことまで知りたいような人たち。そしてそのためには今までだったら過去のインタビューや竹箒日記を見返したりする必要があった。でも本書があれば、全部とはいきませんがかなり影響を受けた作品も挙げられていますし、多くの出来事も書かれています。

 そういった意味で作品単体ではなく集団としてのTYPE-MOONを語るときに必要な最低限の知識をフラットに持っておける。そういった意味で重要な一冊なんじゃないかなと思いますね。

 

 個人的に好きだった個所はTYPE-MOON結成までの部分ですね。いままでの断片的な情報がまとめられていると思います。また「空の境界」が20部刷って6部しか捌けなかったとか、今考えるとありえない話ですがやはり注目を集めるということの難しさを表してるようで興味深いですね。

 そして武内崇先生の影響はでかいね。ただいいものを創る才能だけでなく、それをプロデュースする才能。車の両輪のようにどちらが欠けても意味がないのですね。

 それにしても学生時代にそこまで才を感じさせる、感じれる両名はいったいどんな学生生活だったのか。そんな重箱の隅まで気になってしまう。それがTYPE-MOON